聖書考古学者ウィリアム・オルブライトは研究の後、新約聖書は全てほとんどの弟子たちがまだ生存している間に書かれたものだと結論づけています。彼の書籍にはこう書かれています。「どの書もAD80年以降に書かれたものだとする根拠がないことは誰もが認めるはずでしょう。これでも最近の新約聖書批評者が言っているAD130年、150年からは2世代も前です。」[5]
懐疑的なことで知られている学者A.T.ロビンソンは新約聖書の成立は伝統的な学者たちが言っているよりもさらに早い時期だとしています。彼はその著書『新約聖書の年代の再推定』の中で新約聖書がAD40年とAD65年の間に書かれたと主張しています。この場合、初期の書はキリストの死後わずか7年頃に書かれているということになります。[6]この説が正しければ、歴史的に不正な記述があれば目撃者やキリストの敵によってただちに暴露されていたはずだということです。
それでは、原本から今日の新約聖書までの道のりの手がかりをたどってみましょう。