最後まで矛盾なく
目撃者の証言がモリソン博士の懐疑的な態度に挑むに足りなかったように、彼もまた、弟子たちの行動に困惑していました。歴史家、心理学者、懐疑論者を一様に困惑させた歴史の一事実は、この11人の元臆病者たちが屈辱や拷問や死の苦しみを恐れず、むしろそれを喜びと感じるようになりました。イエスの弟子たちのうち一人を除いて、殉教者として殺されました。彼らが死体を移動させたのを知りながら、一つの嘘のためにそこまでやったと思いますか?
9月11日のテロのイスラム殉教者は誤った動機で死ぬ人がいることを証明しました。それにもかかわらず、周知の嘘のために自分から進んで殉教するのは狂気の沙汰としか思えません。ポール・リトルが書いたように、「本当はそれが間違ってるかもしれないとしても、人は自分が真実だと信じたことのためなら死ねるだろう。しかしながら、嘘だとわかってることのためには死なないものだ。」[26]イエスの弟子たちは、彼らの指導者が生きていたという純粋な信念とともに、一貫性のある方法で行動しました。
弟子達が何故、周知の嘘のために喜んで死ぬのか、的確に説明できた人はいません。しかし、彼らがみんなでイエスの復活について嘘をつくことを企てたのだとしても、金や地位のために裏切るものが一人もいないまま、何十年もの間どうやって陰謀を保ち続けることができたのでしょうか?モアランド氏は、「個人の利益のために嘘をつく人は、ずっと一緒に行動することはないし、困難が利益を減少させる場合はなおさらだ」と記しています。[27]
ニクソン大統領の政権の期間にウォーターゲートのスキャンダルに関与していたチャック・コルソンは、数人の人が一つの嘘を長期間にわたって維持することの難しさを指摘しています。
「私は復活が事実だったとわかっているし、ウォーターゲート事件がそれを証明してくれた。どのように証明したか?なぜなら、12人がイエスがよみがえったのをこの目でみたと証言し、40年間もの間一度もそれを否定することなく、その真実を明らかにしていた。それぞれが痛めつけられ、拷問にかけられ、石打ちで殺され、牢に入れられた。もしイエスの復活が真実でなかったなら、それに耐えることはなかっただろう。ウォーターゲート事件は世界において最も権力のある12人を巻き込み、そして彼らは一つの嘘を3週間つき通すことができなかった。なのに、12人の使徒が40年間も嘘をつき通すことができたっていうのかい?絶対に不可能だ」[28]
これらの男女にとって何もかも変えた出来事があったのです。モリソン博士は次のことを認めています。「この問題にたどりついた者はみな、遅かれ早かれ、言い逃れできない事実に直面しなければならない。この事実とは、深い信念、つまり【イエスが墓からよみがえったという事実を証言する変化】が小さな集団の人々に生じたことです。