その50年前、無神論者のバートランド・ラッセルが、イエスは本当に実在したのだろうかという疑問を投げかけ当時の人々を驚かせました。かれは著書の中で次のように述べています。「歴史的に見て、キリスト(イエス)の存在は、極めて疑わしい。実在していたとしても、私たちが彼の何を知っているというのだろう。それゆえ、私はこのとても難解な歴史的問題には関心がない。」[2]
多くの人々から信じられているイエスが、本当は実在していなかったということがあり得るでしょうか?世俗歴史家ウィル・デューラントは、その著書「文明の話」の中でこのような疑問を述べています。「キリストは実在したのだろうか?ナザレのイエスの生涯に関する話は、民衆の悲しみや想像そして希望が作り出したものであり、クリシュナやオシリス、アドニス、ディオニュソス、ミトラといった神話の伝説と同じようなものではないのだろうか?」[3]デューラントは、イエスについて「異教の神々の伝説との類似点が多く見られる」[4]と指摘しました。イエスは実在したかという疑問に対し、偉大なる歴史家であるデューラントが、その後どのような答えを出したのかは、この記事の後半で見ていきましょう。それでは我々はどうすれば多くの人々から崇拝され、それ以外の人からは呪われたこの男性が実在したと確信をもつことができるでしょうか?イエスは「他の神々の寄せ集めである」と断言したジョンソンは正しいのでしょうか?イエスの存在は「極めて疑わしい」と言ったラッセルも正しいのでしょうか?